スマホ・ネグレクト

近くの公園での運動は、ここのところ、ほぼ日課と言ってよい。その日も、いつものように身体を動かしていた。そばにあるベンチには、3~4歳くらいの男の子とその母親が座っている。男の子は、母親がスマホを見ているため構ってもらえず、仕方なさそうに一人で遊び出す。そうしているうちに、男の子は、母親の代わりを求めてか、この見知らぬおじさんにあれこれと話しかけてきたのである。とはいえ、ヘタに他人が子供と話をすれば、周囲から不審者と思われかねないご時世である。ためらいを覚えつつも、運動を続けながら、男の子の相手を務めたという次第である。一方、母親は、ずっとスマホに夢中で、わが子のことを気にかけるそぶりもない。その様子からして、おそらく、普段もこのようにスマホに没入し、子供へのケアを怠っているのではと思えてならない。親のスマホ依存によるネグレクトが、子供に深刻な影響を及ぼすということについては、ここで指摘するまでもないだろう。親としての自覚が問われる。

ほどなく、ルーティンの運動を終えたところで、男の子に手を振りその場を離れた。気になって振り返ると、男の子は、話し相手がいなくなるのを惜しんでか、こちらをじっと見ている。傍らの母親は、なおもスマホから目を離さないままである。なんとも切ない。